INTERVIEW 各社で働く人たち

丸紅クリーンパワー株式会社 I.M 事業第二部 2023年 キャリア入社 前職:太陽光発電事業者 → 風力発電事業者 → バイオマス発電事業者

国産のバイオマス燃料で、林業の課題にも取り組んでいく。

国産材のバイオマス発電に挑戦したい

学生時代からパーム油の生産に伴う社会問題の解決など、持続可能な社会を実現するための取り組みに関心がありました。バイオマス発電※1のことを知ったのもその一環で、環境にやさしい発電が実現できると思ったのです。当時、国内の大手電力会社でバイオマス燃料(パームヤシ殻)の輸入が始まった時期だったので、私もバイオマス発電に携わりたいと考えていました。

しかし、就職活動でいろいろ探したもののバイオマス発電に取り組める求人はゼロ。そこでまずは、太陽光発電の事業開発をしている消費材を取り扱う商社に入社しました。その後、再生可能エネルギーのことを現場で学びたいという思いから、風力発電の事業会社に転職しました。そこで、土地取得や法の規制、地権者や住民対応など幅広く経験。それらの経験をもとに転職した3社目で、バイオマス発電の開発に携わるようになりました。

丸紅クリーンパワーとの出会いは、入社前から携わっていたバイオマス発電所の開発プロジェクトがきっかけでした。当初は「業界大手」というイメージに少し圧倒されていましたが、プロジェクトを進める中で、「風通しが良くフラットな社風」という印象に。立場に関係なく何でもオープンに話せる雰囲気に、心地良さを感じていました。

入社の決め手となったのは、「国産材を活用したバイオマス発電に携わりたい」という想いです。バイオマス燃料を国産材にすることで、地域経済の活性化や廃材の有効活用など、輸入材にはない代替効果が生まれます。一方で、国産材の利用はコストや技術面でハードルが高く、前職では案件化できなかったことも。丸紅クリーンパワーは、2023年に国産材を主燃料とする「ごうどバイオマス発電所」(岐阜県)を運転開始するなど確かな実績があるので、「ここで経験を積んでいきたい」と強く感じました。

※1:バイオマス発電は、植物や動物の有機物(バイオマス)を燃料として利用し、電力を生成する環境に優しい発電方法。

グループ各社の専門家に相談できる安心感

入社後は、バイオマス発電所の運営や新規案件の開発に携わっています。各プロジェクトは、FIT制度(固定価格買取制度)※2に基づく事業運営のため、まず申請に必要なID取得から始まります。土地の管理について地権者と交渉したり、行政へ許認可を申請したりしながら、燃料も調達してFITを申請。ID取得後には契約書のやり取りを行い、必要に応じて保険の設計などを行ってから、発電所を建設するための資金調達に移っていきます。

金融機関や事業会社との交渉業務には、1年ほど時間がかかることも多いのですが、チーム一丸となって交渉を重ね、案件化したときの達成感は非常に大きいですね。ときには自社だけではなく、他社や他の出資者も巻き込みながらプロジェクトを推進していきます。

新規案件のプロジェクトでは、丸紅グループの強みを実感することが多いです。グループ各社に在籍している専門家が商談に同席してくれるので、信頼性を担保しながら案件をスムーズに進められます。また、グループ各社の連携が取れているので、共同プロジェクトでもお互いの利益や目標についてオープンに話し、案件の進め方や全体のコストを最適化できます。

開発を進めていく上では、さまざまなステークホルダーとの関係構築も重要です。例えば、林業者の方たちとの交渉では、木材価格の不安定さや収益低下など相手の厳しい状況にも配慮しながら、前向きな関係を築いていきます。さらに、事業会社からの相談を受け、FIT制度からの切り替えや収益改善の新たな施策を考える機会も多く、その過程で大きなやりがいを感じています。

※2:再生可能エネルギーで発電した電力を一定期間、固定価格で電力会社が買い取ることを義務付けた制度で、再生可能エネルギーの普及を促進する仕組み。

林業の課題解決から、持続可能な「まちづくり」に挑む

私は、バイオマス発電所の開発を「まちづくり」そのものだと捉えています。多くの人を雇用するのはもちろん、燃料を豊富に供給してもらうための体制や重機、木材の物流など、地域のことを広く考える必要があるからです。私たちがバイオマス発電に取り組むことで、林業従事者の増加など地域への波及効果も生み出していければと思います。単に発電所を建設し電力を供給するだけでなく、地域全体の発展や持続可能な「まちづくり」にも積極的に貢献する視点を持って取り組めることが、この会社の大きな特徴です。

国産材でバイオマス発電に取り組もうとすると、木材の安定的な確保など「林業の課題」に直面することも少なくありません。しかし、それを解決していくための体制が丸紅グループには整っていると感じます。バイオマス発電に欠かせない木材チップを専門に扱っている部署や、物流に関するプロフェッショナルからサポートを受けられるのは大きな強みです。さらに、バイオマス発電協会など信頼性のある外部機関とのつながりもあるので、最新の制度改正にもいち早く対応できます。

私たちが取り組んでいるバイオマス発電は、2050年までのカーボンニュートラル(脱炭素)実現に貢献するエネルギー源として一層注目を集めています。他の業界からジョインするメンバーも多く、不動産、広告などで培った経験を活かしてプロジェクトを推進。社内の研修制度も充実しており、それぞれ親和性の高いプロジェクトから段階的に経験を積むことができます。

社内で活躍しているメンバーに共通しているのは、スケジュール管理を徹底し、タスクを正確に遂行できること。そして、全体の収益を最大化させるために広い視点で施策を考えられることです。日々のプロジェクトマネジメントを通して、保険やローンなどエネルギー以外のさまざまな知識も得られるので、ぜひ多くの人に入ってきていただきたいと思います。

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