INTERVIEW 各社で働く人たち

丸紅洋上風力開発株式会社 F.T 国内事業第一部 2023年 キャリア入社 前職:金融系のシンクタンク(環境エネルギー部門)

シンクタンクから再生可能エネルギーの最前線へ。
業界トップの知見で洋上風力発電を広めていきたい。

洋上風力発電で環境問題解決に貢献していきたい

学生時代から地球温暖化による森林への影響に関する研究に取り組むなど環境問題に興味があり、新卒で環境・資源エネルギー分野に強みを持つシンクタンクに入社。そこでエネルギービジネスのチームに配属されてから、電力業界にのめり込んでいきました。当時の業務は再生可能エネルギーに関するコンサルティングで、官公庁や民間企業に対して、再生可能エネルギー事業の候補エリアの抽出、ポテンシャル評価、事業性評価や入札支援などを実施していました。

仕事にやりがいを感じつつも、コンサルタントとしての事業範囲に限界を感じることもありました。例えば、公募で事業権を獲得する断面であれば、提案内容の策定などをサポートできますが、その先の事業開発には関わることができず、実際には何が大変なのかなど、事業の核心部分までは見えません。こうした背景から、事業会社の内部に入ってリアルな事業開発・運営に携わりたいと考えるようになりました。

丸紅洋上風力開発のことは、実証事業を共同で進めていたので以前からよく知っていました。業界の最前線を走っているだけではなく、チャレンジングな取り組みも行う先進的なイメージがありましたね。目的達成に向けてチーム一丸となって案件を推進する姿勢にも魅力を感じ、プロジェクトを推進しているうちに、一緒に働けるイメージを持てたので入社への意欲が膨らんでいきました。

事業内容では、丸紅が国内トップクラスの実績を持つ、洋上風力発電※1事業へ関われることへの期待感が高かったです。これから再生可能エネルギーが主力電源になっていくときに、洋上風力発電は大規模な導入が見込めるからです。世界的にも注目を集める次世代の主力電源を社会に実装していくことで、カーボンニュートラル実現に寄与していきたいと考えていました。

※1:洋上風力発電……海や湖上に設置された風車を使って電気を作る再生可能エネルギー。陸上風力発電と基本的な仕組みは同じだが、海上の強い風を利用してより効率的に電気を作ることができる。

コンサルで培った提案力を武器に、浮体式洋上風力※2案件を獲得

入社後は前職で培ったプロジェクトマネジメントの経験を活かしつつ、洋上風力発電の開発担当として各案件に取り組んでいます。洋上風力発電事業の流れとしては、まず案件を精査することから始まります。この段階で重要なのは、各種調査や地元の方々との対話を通じて、本当に取り組むべき案件なのかを初期検討することです。案件に取り組むことが決まったら、より詳細な現地調査のうえ、設計・調達・施工方法・維持管理方法や、地域との協調・共生の在り方を具体的に検討し、提案書を作成していきます。

事業者として採択された後には、さまざまなステークホルダーとさらに協議しながら事業開発を進めます。政府機関や地方自治体、漁業関係者と調整・対話を進めるとともに、施工会社、サプライヤーなどと交渉し、詳細検討をしていきます。認証取得やファイナンス組成後に発電所の建設工事へ。関係各所と連携しながら、事業開発を進めていきます。覚えることは多いですが、個々の強みとやりたいことを尊重して役割分担されるので、入社後のギャップを感じることなく非常に働きやすいです。

私の場合はコンサルタント時代の経験を活かし、公募案件を獲得するための提案書作成・とりまとめを担当しました。今まで当社は業界のトップランナーとして、国内初の大規模な商用案件やヨーロッパの大型商用案件などを取り組んできています。ただ、近年では競合他社も洋上風力発電の案件獲得に注力してきているので、中長期的な価値創出を見据えた提案が非常に重要になっています。

公募案件で特に印象深いのは、秋田県南部沖に風力発電機を設置するNEDOグリーンイノベーション基金事業です。自社の提案書の作成および共同提案するコンソーシアム全体のとりまとめを担当し、提案書提出からプレゼンテーションまで半年ほどかけてチームで集中的に取り組みました。海外展開を見据えて将来の低コスト化を目指す事業戦略や研究内容を提案した結果、競合ひしめくコンペで無事に採択していただきました。提案書の中で、海外における当社の先進的な取り組みや、総合商社としてのグローバルな実績を伝えられたことも評価につながったのではないかと感じています。

こうした提案書作りの中で、チーム全員が「この事業を必ず形にしよう」という強い目的意識を持ち、どうすればベストな提案ができるのか最後まで議論を重ねました。他のプロジェクトを担当する社員も、別の業務がある中で何かできることはないか探してサポートしてくださり、私自身のモチベーションもさらに高まりました。丸紅グループには、仲間とともに協力し合いながら挑戦する文化が根づいていると感じています。

※2:浮体式洋上風力発電……洋上に浮いていて水平な姿勢を保つ構造物の上に、風車を乗せて発電する形式。水深の深い日本の沖合の広範囲な場所に設置でき、海底環境に与える影響が小さいこともメリットとして挙げられる。

業界全体の成長を考えて取り組んでいく

洋上風力発電の競争は年々激化していますが、私たちは丸紅グループの強みを活かし、トップランナーとして業界をリードしていきたいと考えています。単なる価格競争だけではなく、未来を見据えた洋上風力発電を実現する。そのためには、政府機関ともコミュニケーションを取りながら、業界全体の成長を見据えた長期的な視点でプロジェクトを成功させていくことが必要です。

そのための社内体制は整っており、洋上風力発電に詳しい専門家や大規模な事業開発を経験してきたメンバーが数多く在籍しています。さらに丸紅電力本部グループでも、サプライチェーン全体や新電力など幅広い領域のプロフェッショナルがそろっており、人財交流も盛んです。将来的には水素や蓄電池など、より広い領域でシナジーを発揮できると考えています。

また、社内ではプロフェッショナルとして自分の強みを活かしながら、粘り強く取り組むメンバーが活躍しています。例えば、公募案件の獲得においては、自ら案件獲得に何が必要か考え、自発的に行動し続ける人が支持されています。洋上風力発電は多種多様な業務・専門性から成り立っており、どこかに前職の経験を活かせると思いますし、フラットなコミュニケーションができるので気後れすることがありません。私自身も異業種からの転職ですが、コンサルタントとしての強みを評価してもらっています。洋上風力発電や再生可能エネルギーに興味があれば、業界未経験の方もぜひ挑戦していただければと思います。

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